2012年 08月 17日
先日、扇田椅子張り店初仕事の納品をしてきました。 仙台の友人が、ねこにかっちゃかれた椅子を張り替えて欲しいと発注してくれたんです。 (たてみさん、ありがとー!) それでは、たてみさんの許可も頂きましたので、どのようにして椅子の張り替えをしているのか、ご紹介していきたいと思います。 秋田の友人の工房で撮影。 ねこちゃん、思う存分ひっかいていた様子(笑)。。 中のクッション材にウレタンフォームを使っていないので、だいぶ昔に作られた椅子ではないかと思われます。(中古で買ったそうなので、いつ頃のものかは分からないそうです。) 前から見るとこういう椅子です。木部の脚がアクセントになっていて素敵な椅子だと思います。 ひっくり返すとこうなっています。 鉄製のバネが支えになっており、その上に詰め物を敷いてクッションにしています。 このバネのおかげで、おしりに底付き感を感じずに座っていられます。 まずは、背の部分と座の部分をはずします。 背の下をぐるりと釘でとめて固定してあるので、一本ずつ抜いていきます。 背の部分と… 座の部分に分かれました。 座の中身はこんな感じです。 詰め物には藁(わら)が使われています。 ウレタンフォームなどの合成樹脂製のクッション材が普及する前は、こういった藁などの自然素材が使われていたそうです。(おそらく今60歳くらいの職人さん方が実際に使っていた最後の世代じゃないかということです。) 詰め物をよけると、バネが見えてきました。 今回は、座ると木部がおしりにあたって痛いという話もあったので、バネをはずして木部を強度が落ちない程度に斜めに削ぎ落として角を取りました。 バネを取り付けなおしたところ。 座る動作によって鉄と木が擦れて音が出ることがあるので、それを防ぐために間にあて布をしてあります。 そしていよいよ、また元通りの形にしていく作業に入っていきます。 まずは下ごしらえから。 バネのすぐ上に敷いてあるのは、ヘッシャンといってコーヒーの生豆が入っている麻袋と同じようなものです。 この上に藁を乗せて… 裏から、両頭針という両端がとがっている道具で詰め物がずれないように糸で留めていきます。 こんな感じに外側と内側を留めます。 次に下張りと言って、表の張り地を張る前にいったん詰め物をきれいにまとめるため、白金布(しろかなきん)を張る作業をします。 10ミリの厚さのウレタンフォームを丸く切って… (貼り付ける部分は斜めに削ぎ落とします。) 金布に貼り付けます。 背の部分もこのように下ごしらえをし… 張り地の裁断をして、いよいよ上張り(うわばり)の作業に入ります。 ウレタンフォームの上に綿を一枚敷いて、張り地を木部にタッカーで留めていきます。 座の部分が張り上がりました。 次がこの椅子の張りで一番難しいところですが、背の部分を取り付けながら張っていきます。 この時、取り付けと張りの順番を間違えると、しわが寄ってしまいます。 取り付け完了。 しわも寄らず、上手くいきました。 最後は背裏を張って仕上げです。 まず化繊綿を留めて… 張り地を仮り留めし… 反り針(そりばり)という曲がった針で、手縫いしていきます。 そして… 完成です! 前から。 初仕事ということで、工場の環境もまだまだ整っておらず時間がかかってしまいましたが、その分手を抜かずに丁寧な仕事を心掛けました。 仙台のお宅に納品した時、ご両親がとても喜んでくださって感激でした。 その上、ソファの張り替えの追加注文まで頂きました!本当にありがとうございます。 また他の友人が、大学の先生の椅子の張り替えを頼んでくれたりと、いろいろな方々の応援が本当に心強いです。 まだ始まったばかりですが、これからも丁寧な仕事を心掛けて頑張っていきたいと思います。 #
by oogidaisuhariten
| 2012-08-17 18:50
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アバウト
扇田椅子張り店
お使いの椅子やソファのおかげんはいかがですか。
毎日の生活で、張り地のすり切れやクッションのへたりなどが起きてくるものです。 椅子は、張り地を張り替えるだけで、新品のようになるものです。 食堂椅子の座面でしたら、なかのクッション材も交換して5000円からお受け致しております。 (値段は、張り地のランクや、縫製の有る無しによって変わります。) 大館市内の方でしたら見積もりは無料で、張り地のサンプル帳を持ってご自宅までお伺い致します。 まずはメールにて、お気軽にお問い合わせください。 メールアドレス oogidaisu@icloud.com ( ´ ▽ ` )ノ 最新の記事
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