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扇田椅子張り店

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2012年 07月 14日

椅子張りに使う道具のご紹介

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はじめまして。

先日、名刺も出来上がり、扇田椅子張り店、しなしな〜っと始めていこうかと思っています。

まずはご挨拶がてら、いす張りで使う道具の紹介をしたいと思います。

それでは、写真左から。

タッカーといって、張る布や革などを木部にとめる道具です。
コンプレッサーという、空気を圧縮してためておく機械に、ホースでつないで使います。
ホチキスのでっかい版だと思っていただけると分かりやすいかと思います。
針によって様々な種類のタッカーがあります。
(かぶせてある茶色の革は、北海道で働いていた時、寒さで鉄の部分が持っていられない程
冷たくなるので、上からおおったものです。)

次は、目打ちとよばれる道具です。
目打ちとは文房具の千枚通しの別名らしいですが、職人さんたちは皆「めうち」とよびます。
いす張りで使うものはサイズも大きく、鉄の部分も硬く作られています。(ちなみにスイス製です。何故かは分かりませんが…。)
この目打ちで、タッカーで打った針をくっと引っ掛けて浮かせて、写真右隣りのニッパーで抜きます。

次は、ニッパーですが、上に書いた通り、主にタッカーの針を抜く時に使います。

次は、裁ちばさみです。布、革などの裁断に使います。

最後に、玄能(げんのう)です。主に下ごしらえの時に使います。
(ちなみに、鉄の部分の片側は普通に釘を打つための平面、反対側は「木殺し」と呼ばれる、やや凸になった曲面になっていて、木部に傷を付ないよう最後の打ち込みができるように工夫がなされているものをげんのうといいます。)

以上の道具と、縫製の時に使うミシンが、いす張りで使う主な道具です。
他にもいろいろな道具を使いますが、主にこれらの道具を使っていすの張りをします。

タッカーなどができる前は、マグネットハンマーと5分釘でいす張りをしていたそうなので、
今でもほとんど機械を使わない手作業ですが、昔は全く機械を使わずに作業をしていたのだなと思い、昔の職人さんたちは大変だったろうなと思います。
ただ、その分、60歳より上ぐらいの職人さんたちに聞くと、本当にいろいろなことを知っているので、一緒に働いていた時はとても勉強になりました。

おばあちゃんの知恵袋のように、いす張りの世界には、昔の人たちの知恵がたくさん残っていて、
それに触れた時に、とても嬉しい気持ちになります。

伝えられてきたことを大切に。

そういう想いで、仕事をしていきたいと思います。

by oogidaisuhariten | 2012-07-14 16:38


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